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マラソンでタイムを短縮したい人が知っておくべきこと

マラソンでタイムを短縮したい人が知っておくべきこと

【目次】

  1. 多くの人が陥りやすい考え方
  2. ゆっくり長く走ることで期待できること
  3. ゆっくり早く走ることで期待しにくいこと
  4. 長く走ることによる弊害
  5. 長く走ることによる目的と使い分け方
  6. 速く走ることで期待できる要素と方法

 

 

まず、多くの人が陥りやすい考え方として、

「長く走れば走るほど持久力が身に付いて長距離(マラソン)を速く走ることができる)」というものがある。

 

これは、ランニングやジョギングを全く行っていなかった人が実践すればそれなりに効果が期待できる方法である。

しかし、この方法で期待できるトレーニング効果としては「速く走る能力向上」ではなく、「長く走る能力向上」である。

 

ゆっくり長く走ることで期待できること

 

  • 血管や血液の状態を改善
  • 筋持久力向上
  • 肺機能の改善

 

 

ゆっくり長く走ることでは期待しにくいこと

 

  • 心肺機能(心臓と肺)の強化
  • 速筋線維の強化
  • 速筋線維の遅筋化
  • スピード持久力の向上
  • 乳酸処理能力の向上
  • ランニングフォーム改善

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要するに、速く走るための要素の改善・向上を期待しにくいのである。

 

 

また、長く走ることによる弊害として、

余分な距離を走り、余分な疲労を抱えることにより故障のリスクが高まるということもある。

 

さらに、疲れてフォームが崩れても我慢して走り続けるとケガのリスクだけでなく悪いフォームが癖づく。

 

「根性で走れ!」「最後まで行け!」という声かけや理念は、ケガのリスクを高め、悪いフォームが癖づくリスクが高まるということで危険である。

 

フォームを崩してまでも走り続ける必要はないのである。

 

 

また、フォームが崩れ、走るスピードが低下しているときは、本人は努力しているかもしれないが、スピードが遅いということで運動強度が低く、心肺機能や筋肉には充分な刺激が与えられておらず、そのような状態におけるトレーニングによる効果は期待値が小さい。

 

 

しかし、長く走ることが悪いという訳ではないのだ。

目的に合わせて上手くコントロールすることで、効果を最大限に発揮し、余計なリスクにさらされることがなくなる。

 

 

具体的には、

 

①心身ともに疲労を感じないようなゆったりとしたペースで長く走ることは、「L.S.D.(エル・エス・ディー)」とも呼ばれ、血流促進、疲労回復効果が期待できる。ゆえに、ハードなトレーニングの翌日、積極的に疲労の回復を図るのあれば、このL.S.D.が有効である。

ここで注意が必要なのは、中途半端なペースで走ってしまわないようにすることだ。中途半端なペースで走ると、身体の各種の機能を改善・向上するには刺激が足りなず効果が期待できないにも関わらず、身体に疲労を蓄積させてしまうだけなのである。

 

 

②ややきついと思う前後のペースで長く走ることは、呼吸循環機能の改善につながったり、乳酸処理能力(乳酸性作業閾値)の向上につながったりする。

ここで注意が必要なのは、ペースが遅すぎないことと、ペースが落ちてフォームが崩れるまで長く走りすぎないことだ。呼吸循環機能の改善には、心拍数がそれに必要なレベルに高まってから、その心拍数を30分前後は維持することで効果が期待できるとされていることから、この目的達成のためには少なくとも30分以上のランニングにするのが良いだろう。

 

 

以上のように、長く走る場合は目的に合わせて方法を上手く調節することで、実りあるものとなる。

 

 

 

長く走ることだけでは期待しにくい要素(速く走るための要素)へのアプローチの仕方も紹介しておく。

 

これらの要素を向上させようとするならば、方法はズバリ!「速く走ること」である。

 

 

具体的には、

 

 

①レペティショントレーニング

決められた距離を90%~全力での疾走と休息を繰り返すトレーニング。

距離は400m~5000mなど様々であり、これ以下でもこれ以上でも良いわけであるが、重要なのは走るペースであるので、距離が長くなりすぎるのはオススメしない。休息は疾走した距離や強度に応じて完全に近い回復を図る。数分~30分など強度や状況に応じて様々である。重要なのは次の疾走時に充分なスピードを出すことが出来るかどうかである。

 

 

②インターバルトレーニング

前述したレペティショントレーニングより疾走時のスピードは遅めであるが、休息の仕方は立ち止まることなくウォーキングやジョギングで次の疾走に備えリカバリーを図るトレーニングである。レペティションと違い、完全に回復する前に次の疾走を開始する。疾走する距離やリカバリーの距離(時間)や疾走する本数は、基本的には疾走する距離とスピードによって調節する。基準とする心拍数は、疾走時180、休息時120と言われ、これを目安に疾走距離に対するペースを決め、休息距離(時間)を決める方法もある。

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③スプリントトレーニング

ジョギングやウォーミングアップの後に、70%~全力で走ることで、大きく自然なランニングフォームの獲得を図る。また、低強度の有酸素運動では使われる頻度が少ない速筋線維を刺激することが出来るので、ストライドやスピードといったスプリントにおいて重要な要素を鍛えることができる。

 

 

上記どれにも言えることであるが、速く走るトレーニングは各種身体の機能が改善・向上されるだけでなく、ランニングフォームの改善にも役立ち、ランニングフォームが良くなれば、「楽に速く走れる」ようになるのである。そうすることで故障のリスクも低下する。疲労に耐える力は必要かもしれないが、そもそもランニングによって疲労しない体、疲労しにくい体をつくることはもっと重要なことであり、しんどくないから速く長く走れるようになるのだ。

 

 

 

長距離(マラソン)タイムを短縮したい人は、長くゆっくり走るトレーニングと速く走るトレーニングの目的の違いを理解することが大切であり、その上で上手く使い分けることで、故障することなく自身の可能性を広げていくことが出来るだろう

 

この記事で読んだことを是非あなたのランニングライフ充実につなげていただきたい。