短距離走の競技特性
◆100m
早くトップスピードに達し、トップスピードを維持することが一般的に大切であると思われている。
確かにそれが出来れば理想である。
しかし、世界のどのトップスプリンターでさえ、トップスピードをフィニッシュまで維持できる選手はいない。
ウサイン・ボルト選手でさえ。
これは、スタートからフィニッシュまでのスピード曲線(距離と走速度で表した曲線)で知ることができる。
また、選手によってトップスピードに達する地点が異なる。
これは、前半速い選手と後半伸びてくるように見える選手の違い。
前半速い選手は、
約40〜60m地点でトップスピードに達し、
後半伸びてくる選手は、
約60〜80m地点でトップスピードに達する。
素人であればあるほど、トップスピードの低下率が大きいことから、低下率を極限まで抑えることによる成果は大いに期待できるが、トップスプリンターでは期待値は小さい。
上体が起き上がるのが早過ぎると、トップスピードのコントロールが難しく、風の抵抗も受けやすいので、フィニッシュ地点でのスピード低下率は大きくなるリスクが高いと考えられる。
トップスピードに達する地点をコントロールすることでタイムにアプローチすることも立派な技術である。