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乳酸は疲労物質ではない!?

疲労といえば「乳酸」をイメージする人は多いだろう。

そういった人たちに向けて、乳酸について簡単に説明したいと思う。

ざっくり言うと、乳酸自体はエネルギー源だ。乳酸が作られる時にもエネルギーが生み出され、乳酸が分解された時にはさらに多くのエネルギーが生み出される。

それでは、なぜ乳酸のようなものをわざわざ作るのか?

ミトコンドリアの処理能力には制限があるからだ。

この制限を超えた分の「糖」は一度乳酸という形に変換され、血液を介して必要とされている筋組織へと運ばれ、そこで分解されることによってエネルギーを生み出すのである。

速筋線維で多くの乳酸が作られ、遅筋線維へと血液によって運ばれ利用される、というのが主な流れということになる。

しかし、乳酸は、「酸」という言葉が付いていう通り酸性である。
多く溜まりすぎると、組織内が酸性に傾き、筋収縮しにくくなることも事実だが、このような状況には400mなどを全力で走った時のラストでもない限り、なかなか陥りにくい。陥ったとしても、微々たる酸性だ。

また、運動中に乳酸が多く作られたとしても、安静にしていれば30~60分程度で通常値に戻ることも重要である。
さらに、軽いジョギングなどのクーリングダウンをすることで、この乳酸の除去を早めることもできる。これは、乳酸がエネルギーとして利用されるからだ。

ゆえに、翌日の疲労が乳酸なんてことはあり得ない。

乳酸について簡単に説明したが、このように見れば、乳酸はそれほど悪いものではないということが分かるだろう。

ランニングと乳酸は切っても切り離せない存在だ。

一つ上のランニングを目指し、乳酸についての知識を深め、トレーニングに活かそうではないか。