マッスル ブックは、アスリートの競技生活をサポートします。

muscle book

マッスル ブック。このブログはアスリートにとっての聖書(バイブル)を目指す。

速筋線維と遅筋線維の特性と鍛え方

パフォーマンスの向上を目的にトレーニングをする上で、速筋線維と遅筋線維の特性を理解しておくことは、トレーニングの成果を引き出す上で非常に大切であるので、今回はそれらについて考えていきたいと思う。
 

まず、ヒトの筋肉は、その特性から速筋線維と遅筋線維に大別できる。

 
【速筋線維】
大きな力を発揮できるが、
疲労しやすい
 
【遅筋線維】
大きな力は発揮できないが、
疲労しにくい
 
 
この速筋線維と遅筋線維の比率や数に関しては、先天的な要因が強く、トレーニングなどによってこれらを変えることは難しい。
 
ゆえに、生まれながらにして次のようなことがおおよそ決まっている。
 
速筋線維を多く持っている人は、大きな力を発揮したり、速く動かなければならないスポーツに適している一方、
遅筋線維を多く持っている人は、大きな力を発揮したり、速く動くことに適していないものの、ある程度の力や速さで長く動き続けるようなスポーツに適していることになる。
 
ここで問題となるのが、遅筋線維を多く持って生まれた人は、努力しても大きな力を発揮したり、速く動いたりすることが出来ないのかということになるが、
答えはNOである。 
 
理由は2つあり、1つは速筋線維の数があまり変わらなくても1本1本の速筋線維を強化することが出来るから。もう1つは神経系の改善が挙げられる。
 
速筋線維の強化について注意したいことは、あまり努力しなくてもよいレベルのトレーニングをしても速筋線維は強化されにくいということ。
人間の身体は基本的に必要最低限に仕事を済ませようとする特性がある
すると、軽々持ち上げることが出来るような重りを持ち上げる時は、わざわざ全ての筋肉を働かせないのである。
このような場合の多くは、遅筋線維が働き、速筋線維の多くは働いていない状態なのである。
 
ゆえに、速筋線維を鍛えようとする場合は、それなりの負荷を身体にかけなければならない
 
例えば、頑張らないと持ち上がらない重りを用いたり、トップスピードもしくはトップスピードに近い速さでランニングをしたりするトレーニングが速筋線維を鍛えるのに合理的な方法となってくる。
 (以下のトレーニングに関する記事も参考に)
次に神経系の改善について。
 
筋肉と神経は繋がっており、神経からの刺激を受けて筋肉は反応することになる。そして1つの筋肉につながる神経の数が多いほど、その筋肉が発揮する力は大きく、そしてより速くなるのである。
 
トレーニングによって、筋肉に刺激を送る神経の数を増やすことが出来るのだ。
増やすことができるというか、今まで機能していなかった神経が機能し始めると言った方が適当だろうか。
 
要するに、トレーニングによって神経系の働きが改善され、その結果として筋肉の働きも向上するということである。
 
 
このようなことから、生まれながらにして速筋線維の比率に恵まれなかったとしても、努力次第でその能力を向上させることが出来るのだ。
 
しかし、生まれながらにして多くの速筋線維を持っている人が努力をすれば、より高いパフォーマンスを発揮する可能性や期待が高いことは言うまでもないだろう。
 

 

長くなったしまったので、
遅筋線維に関するトレーニングなどについては別の機会にしたいと思う。